安さで勝負?質で勝負?の検証

 令和2年9月に鹿児島市で開業いたしました、税理士の橋本和典です。これから、毎週金曜日にこのブログで皆様のお役に立てるような情報や面白い事を書いていこうと思います。よろしくお願いします。

商売をしていると、お客さんが最近減ってきたなと思うことがあると思います。この時に考えられる選択肢が

・値引きでお客さんを引き留めるのか→安さで勝負

・商品の質の見直しや新商品を提供するのか→質で勝負

【単価1,000円の商品を提供するお店の例】

原材料などの原価が400円で粗利は600円 月間800個を売り上げてる

600円×800個=480,000円(月間粗利) 粗利60%

 ①安さで勝負した場合

20%の値引きをすることで、お客離れを防ぎ月間800個を死守。

単価800円    粗利400円(単価800円-原価400円)

販売数800個  400円×800個=320,000円(月間粗利) 粗利50%

 ②質で勝負した場合

値段は下げずに、既存商品と併せてオリジナル新商品を提供。既存商品のお客減少を新商品でカバー出来ず、結果20%の販売数減少で640個販売。

単価1,000円   粗利600円(単価1,000円-原価400円)

販売数640個   600円×640個=384,000円(月間粗利) 粗利60%

粗利を見た場合に、安さで勝負した場合160,000円のダウン質で勝負した場合96,000円ダウンしました。
価格を20%下げる方が、お客さんが20%減少するより、64,000円ダメージが大きいということが分かります。
これは、売上を20%減少させることで、粗利が10%減少しているからです。

売上より粗利で考える

 一般的に経営者の頭には「単価×数量」という、売上の方程式が入っていることが多いのですが、経営においてより重要な指標は粗利です。粗利は会社が生み出した付加価値の総和であり、あなたの会社やお店の顧客満足の大きさそのものです。

■安さで勝負

・更なる価格競争

・更なる値下げ

・値下げした分業界全体の市場規模が縮小

・粗利がどんどん縮小

・市場がいつか破綻する

□質で勝負

・安さだけ求めるお客さんは離れる

・他社や他店にない商品を提供し続ける

・あなたの会社やお店のコアなファンができる

・市場環境の変化というリスクに対応できる

・市場創造により高い顧客満足度と社会貢献ができる会社やお店になる

まとめ

 質で勝負した場合、常に創意工夫が求められ、毎日大変だと思います。しかしお客さんのために考えた商品やサービスが売れてお客さんに喜んでいただけたら達成感もひとしおではないでしょうか。逆に安さで勝負した場合、一時的には売上が改善するかもしれません。しかし、不毛な価格競争の結果いずれ衰退していく市場と命運を共にするというのでは、余りにも虚しいだけではないでしょうか。価値の見せ方や伝え方がありますが、やはり良いモノが売れるのが原理原則です。努力して考えに考え抜いた商品です。値下げなどせずに勇気をもって勝負しましょう。