4月から消費税総額表示義務化のスタート

 令和2年9月に鹿児島市で開業いたしました、税理士の橋本和典です。これから、毎週金曜日にこのブログで皆様のお役に立てるような情報や面白い事を書いていこうと思います。よろしくお願いします。

 4月1日から商品等の価格表示が、消費税額分を含めた価格を表示する総額表示方式の義務化がスタートしました。

210107leaflet_sougaku.pdf (mof.go.jp) 

 総額表示方式の義務化は、2004年4月より実施されていましたが、消費税率を引き上げる際、2014年4月と19年10月の二度にわたる消費税率引き上げが決まっていたため、事務負担などへの配慮から、税抜価格のみの表示が特例として認められてきました。

 2021年4月以降は、その特例が廃止されるため、総額表示方式に戻ることになります。 

 基本的には従来の総額表示方式と同じですが、軽減税率の導入に伴い、同一の飲食料品につきテイクアウト等とイートインの双方を行う場合の価格表示に注意が必要です。 

 ただ異なる税込価格を設定する場合には、テイクアウト又はイートインのどちらか片方のみの税込価格を表示し、もう片方の税込価格を表示しない場合であっても、消費税法第63条の総額表示義務には違反しません。

 ただ、イートインの場合には適用税率が異なるため、税込価格はテイクアウトよりイートインの方が高いです。その為に店内の表示はテイクアウトの場合であることを明瞭に表示せず、その税込価格のみを表示している場合には、一般消費者に店内飲食の価格が実際の価格よりも安いとの誤認を与えてしまう可能性があり、不当景品類及び不当表示防止法第5条第2号の規定により禁止される表示(有利誤認)に該当するおそれがあります。

 些細なことですが、お客様とのトラブル防止のためにも、テイクアウトにするかイートインをするかという、お客様の意思表示により、異なる税率が適用され、税込価格が別途計算されることがあり得る旨を、メニュー表や店舗内の目立つ場所に掲示して、注意喚起を行うことが重要です。