融資を受けるときのポイント

 令和2年9月に鹿児島市で開業いたしました、税理士の橋本和典です。これから、毎週金曜日にこのブログで皆様のお役に立てるような情報や面白い事を書いていこうと思います。よろしくお願いします。

 今回は融資を受けるときのポイントについて書きます。

 事業を始めるとき、事業を継続していくのに、自己資金以外の銀行融資は必要です。税理士は顧問先の色々な銀行融資を見ています。中小企業者の営業成績に対して、金利が適正なのかといった大体の相場観を知っています。

 当初の借入実行の際、変動金利にするか固定金利にするか気を遣われると思います。一旦、借入をされたら返済に集中してしまい、金利について見直しをされない方が殆どだと思います。明らかに高いようでしたら、銀行に金利の見直しをされるのが良いと思います。

 ただ、借換えを検討される際、不動産が担保に入っている方は、担保の変更登記が必要になります。その費用が数十万位掛かるかも知れません。そのコストも回収できるくらいに金利が高いようでしたら、借換えを検討しても良いかも知れません。

 また、資金繰りが苦しくなり借入金が計画どおりに返済できないようでしたら、リスケを銀行担当者にお願いすると良いでしょう。

例えば、

1.利息は払い続けるが、元金返済を1年だけ待ってもらう。

2.返済期間を伸ばしてもらう。(10年間→15年間とか)

3.元金と利息の返済自体を待ってもらう。

 ただ、不動産担保で借入されている方は、不動産の耐用年数上には融資は出来ませんので、注意されてください。

融資を税理士に依頼するメリット

書類作成のアドバイスがもらえる

 融資を税理士に依頼することで融資申込書、事業計画書、経営改善計画書などの融資に必要な書類作成についてアドバイスをもらえます。自社が行う事業への熱い思いは事業者自身で文章にすることはできますが、売上予測や経費予測などの具体的な内容は、根拠があって金融機関が納得できるものでなければなりません。

 税理士は、毎月多くの法人・個人の決算を行っているので、試算表や決算書の数字は熟知しています。また、焦点となるポイントを押さえて書類作成のアドバイスを行いますので、融資審査担当者の心を動かし、納得できる客観的な説明ができるので効果的です。

適切な金融機関を選択してもらえる

 融資を受ける銀行との関係はこの先長い付き合いになります。税理士は各金融機関の特徴を理解しているので適切な金融機関選びをサポートしてくれます。事業規模以外にも、信用保証協会付き融資なのか、プロパー融資なのかでどの金融機関が最適なのか異なるので、融資を受ける金融機関の選定も大切です。

金融機関の信頼が得られる

 各金融機関の融資担当者と面識がある場合があります。面識があれば、担当者とのコミュニケーションが円滑になり、担当者の心証も良くなり信頼を得られやすくなります。

融資審査の通過率が上がる

 融資は失敗してしまうとやり直しが効かないです。その為に融資を確実に通過する状況で臨まなければなりません。一度融資審査に失敗すると、再度融資を申し込むまで一定期間空ける必要があります。失敗すると分かっている融資の申し込みはわざわざ行わないです。確実に融資審査に通過する融資制度を勧めますから融資審査の通過率が上がります。

専門的立場から財務的な部分の説明をしてもらえる

 融資審査では、金融機関の担当者と面談があります。この面談では、単に事業に対する熱い想いを語るだけでなく、その事業の安定性・収益性・成長性・返済能力等を客観的に数字で伝えなければなりません。説明が不得意であれば必要なら融資審査の面談に同席して、財務的な部分の説明をサポートが可能です。専門的立場から融資担当者に資金繰り等の説明が出来ます。

融資を受けるときの重要ポイント

書類作成

 融資を受ける際は、融資申込書・事業計画書・経営改善計画書・創業計画書・資金繰り表・会社案内など、状況に応じて様々な書類を作成しなければなりません。各書類の書き方ひとつで融資審査に影響を与えるので、好印象を受ける書類の準備をしましょう。

事業計画書の作成

 融資を受ける際に最も重要になる書類が事業計画書です。事業計画書は、融資を受けてどのような事業を行っていくのかを明確に示す書類です。ポイントを押さえた事業計画書は、融資を引き出すための最大の武器となります。現実性の無い理想だけの内容ではなく、事業の将来性や利益性、安全性、借入を確実に返済することができる将来の状況を数字で表現することが大切です。

融資を受ける金融機関の選択

 金融機関は、銀行毎にカラーがあります。自社の事業方針に合った金融機関を選択することが審査を通過するポイントです。

紹介

 金融機関が一番警戒することは融資の返済が滞ることです。金融機関から安心して融資をしてもらう為には、信用に足る会社である必要があります。初めての金融機関である場合は、金融機関と信頼関係がある方に紹介してもらうと信頼を得ることが出来ます。

認定経営革新等支援機関に登録している税理士に依頼する

 認定経営革新等支援機関とは、経済産業省が認めた「中小企業や小規模事業者の経営課題に対し、事業計画策定支援などの専門性の高い支援を行う専門家」のことです。認定経営革新等支援機関に登録している税理士に日本政策金融公庫の融資を依頼すると、低金利で融資を受けられる可能性があります。日本政策金融公庫の融資制度の中には、認定経営革新等支援機関を経由することで利用できる中小企業経営力強化資金があります。この融資は一般の融資より低金利・無担保・無保証人で融資を受けることができる優遇された融資制度です。日本政策金融公庫の融資を考えられている方は、認定経営革新等支援機関に登録している税理士への依頼を検討してみてはいかがでしょうか。なお当会計事務所も認定経営革新等支援機関に登録している会計事務所です。

中小企業庁:認定経営革新等支援機関検索システム 橋本和典税理士事務所

まとめ

 今回は融資を受けるときに税理士にサポートしてもらうメリットについて書きました。金融機関から融資を受けるとき、税理士からのサポートを受けると、格段に融資を引き出す確率が高まります。特に次のような方は、税理士に依頼するメリットが大きいです。

1.事業計画書をどう書けば良いのかわからない

2.融資を引き出すための決算書の作成ポイントがわからない

3.既に融資申請に失敗していて、今回は絶対に成功させたい

 最近は、税理士と同行訪問を嫌がる金融機関が多いようです。ですが、大事な場面で同行してくれる税理士がいるかどうかで局面が変わってきます。銀行とお付き合いするのは大切ですが、銀行の言いなりにならず、税理士のアドバイスも取り入れて、きちんとしたお取引をされて欲しいものです。