数字を読み解く

 令和2年9月に鹿児島市で開業いたしました、税理士の橋本和典です。これから、毎週金曜日にこのブログで皆様のお役に立てるような情報や面白い事を書いていこうと思います。よろしくお願いします。

 今回は数字について書きます。

字を読む

 数字を読むとは、決算書を読めるようになるということではないでしょうか。ここでいう決算書とは、一般的に財務三表といわれる貸借対照表(Balance sheet)、損益計算書(Income statement)、キャッシュフロー計算書(Cash flow statement)です。これらの意味を理解すると、会社の現在の財務安全性はどうなのか、前年対比で何が原因で業績が良くなったのか又は悪くなったのかなどが見えてきますし、ひいてはどのような改善策をとれば会社がより良くなるかが見えてきます。

 節税は重要です!しかし事業を永続するには事業自体が強くなくてはいけません。私は現状での強み・弱み、ひいては数字の意味を説明していくことを心掛けるようにしています。

 変動損益計算書で経営を見える化する

 まず売掛金と買掛金などを月次で計上すること。発生主義による月次決算への第一歩です。その後に変動損益計算書の活用です!

 変動損益計算書は、費用を、売上の増減に伴って変動する変動費と、売上が増減しても変動しない固定費に分類し、売上高から変動費を差し引いた限界利益、そこから固定費を差し引いた経常利益を算出しています。限界利益は、粗利益とほぼ同じです。

 固定費を限界利益率(限界利益÷売上高)で割れば、赤字でも黒字でもない損益が±ゼロの売上高である損益分岐点売上高を簡単に求めることができます。

 変動損益計算書をもとに、売上高、変動費、固定費、限界利益の数値をシミュレーションすれば、数値にもとづいた的確な経営判断ができるようになります。

 経常利益がゼロ(限界利益=固定費)つまり損益がゼロになる状態を損益分岐点(売上高×限界利益率=固定費)といいます。

 この算式をもとに、売上高、限界利益率、固定費の数値を入れ替えてシミュレーションすれば、固定費が増加したときや限界利益を伸ばしたいときの必要な売上高を求めることができます。また、利益面だけでなく資金との関連を考え、借入返済額や減価償却費を見込んでシミュレーションすることで、借入返済に必要な売上高はいくらかも求めることができます。

固定費÷限界利益率+返済借入金-減価償却費=必要売上高

まとめ

 如何だったでしょうか?最初のうちは取っ付きにくい内容になりますが慣れれば面白くなりますし疑問も沢山出てくると思います。

 何故そのような数字になるのか、内部要因や外部要因を考察する上での根拠材料になると思います。